国の年金を中心とした情報をご提供します。
厚生年金保険や国民年金から支払われる年金は、老齢、遺族、障害のいずれも物価や賃金の変動に応じて毎年、額が改定されます。
これまで年金額は、平成12~14年度の物価下落時にも減額改定せず、特例として据え置かれていました。この据え置いた分が解消されるまで、その後に物価が上昇しても増額改定を行わない一方、年金額改定の基準となる平成17年の物価水準を下回ったときには減額改定されるしくみとなっています。
総務省が公表した平成22年平均の全国消費者物価指数(生鮮食品を含む)は、対前年比でマイナス0.7%となり、平成17年時点の物価水準よりも0.4%下回りました。このため、年金額が5年ぶりに0.4%引き下げられることとなりました。
厚生労働省によると40年間保険料を納めて老齢基礎年金を満額うけている人の場合、一人当たり月額267円の減額となります。標準的なサラリーマン世帯では夫婦2人分で月額944円の減額となります。
老齢基礎年金(満額・1人分) | 65,741円 |
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サラリーマン世帯の標準的な年金額 (厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金) |
231,648円 |
※夫が平均的収入(月額36万円)で40年間就業し、妻はその間すべて専業主婦を想定。
日本年金機構は2月末から、インターネットで自分の年金加入履歴などをパソコンなどで簡単に確認することができる「ねんきんネット」サービスを開始しています。ねんきんネットを利用すると、最新の年金加入履歴の一覧や、未加入・未納期間の有無が一目で確認できます。
さらに今秋からは、納付済保険料額を確認できたり、繰上げ受給する場合や在職老齢年金などの年金見込額を試算できるなど、順次サービスが追加される予定です。
ねんきんネットは、インターネットにつながる環境であれば、いつでもどこでも利用できます。自宅等のパソコン等で利用する場合は、ユーザーIDとパスワードが必要です。IDとパスワードは、4月以降に届く「ねんきん定期便」に記載されているアクセスキーを使い、日本年金機構のホームページの該当部分に入力すればすぐに取得できます。「ねんきん定期便」が届かない受給者の方にはアクセスキーを通知するお知らせが届きます。なお、加入記録管理の安全性を高めるため、アクセスキーには有効期限が設けられているので、ID等は早めに取得するようにしましょう。
年金事務所の窓口でも、ねんきんネットにより印字した年金記録をうけとるサービスが利用できるようになります。市区町村や郵便局の窓口でも利用できる場合があります。