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企業年金の中途脱退者が、脱退一時金を企業年金連合会に持ち運び年金化する際の予定利率について、今年10月以降、年齢に応じた複数の予定利率に変わります。
* 脱退一時金を原資として年金化する
企業年金連合会は企業年金の通算事業を担う
厚生労働大臣の認可により設立されている企業年金連合会(以下、連合会)は、企業年金全体の年金通算センターとしての役割を担っています。つまり、年金受給権を得る前に企業年金制度を脱退したときにうける脱退一時金を年金給付へつなげる事業を行っています。
具体的には、中途脱退者の希望により企業年金から引き継いだ脱退一時金について、事務費(受付手数料など)を控除した後、予定利率(利回り)で運用した結果を原資として年金(=通算企業年金)を給付します(図1参照)。
通算企業年金は原則65歳*1 から給付されます。
年金は終身給付ですが、15年の保証期間(65歳受給開始の場合)*2 が付いており、その期間内で残りの期間分の年金原資を一時金でうけとることもできます。
*1 特別支給の老齢厚生年金同様に生年月日・性別に応じた受給開始年齢となります。脱退一時金を移した時期が受給開始年齢を超えていた場合は、移した時点からうけ始めます。
*2 受給開始年齢が1歳上がるごとに保証期間は1年ずつ短くなります。
10月以降の中途脱退者は年齢別の予定利率を適用
現在、通算企業年金の予定利率は一律2.25%ですが、今年10月以降は年齢区分ごとに異なる予定利率が設定されます(表1参照)。これは、連合会が脱退一時金を引き継いでから年金給付を終了するまでの平均期間が、脱退一時金を移したときの年齢で異なることから、その期間ごとに対応した国債利回りを勘案し個別に設定するというものです。
その結果、45歳未満を現在と同じ2.25%とし、65歳以上を給付水準が現行の90%を下回らない1.50%としています。より実態に近い利率を設定することで、将来の積立不足の発生リスクを極力軽減し、通算企業年金制度を持続可能なものとすることをめざしています。
新しい予定利率の対象となるのは、現在加入している企業年金の資格を喪失した日(退職日の翌日)が今年10月以降となる中途脱退者等*3 です。
それ以前の中途脱退者については現行の予定利率が適用されます。また、今回の予定利率の見直しと合わせて事務費の上限額が引き下げられています(表2参照)。
*3 厚生年金基金の中途脱退者および確定給付企業年金の中途脱退者のほか、平成26 年10 月以降に解散認可された厚生年金基金の加入員および確定給付企業年金の制度終了加入者も対象となる。
脱退一時金を移した ときの年齢* |
予定利率 | ||
---|---|---|---|
平成26年9月まで | 平成26年10月以降 | ||
45歳未満 | 2.25% | 2.25% | |
45歳以上 | 55歳未満 | 2.00% | |
55歳以上 | 65歳未満 | 1.75% | |
65歳以上 | 1.50% |
*脱退一時金を連合会に移した月の月末時点の年齢
事務費の内訳 | 平成26年9月まで | 平成26年10月以降 |
---|---|---|
定額事務費 | 1,100円 | |
定率事務費(上限) | 35,000円 | 33,000円 |
ご注意! 連合会へ移す場合は期限内に